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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
仕事は、残業にならずにすんだ。


帰りの電車の中で、わたしは慎二さんに返信する。


『慎二さまは、返信がこまめですね。


 >実家では昔、ネコを飼っていました。
 私はどちらかと言うと、犬が好きですね。
 ネコは気まぐれでよくわかりません。


 ネコは、気の向くまま…ですから。
 犬は、忠誠心がありますから、
 Sの方は犬の方がしっくりくるのかな?と、思いました。


 >ななさん、自分は奴隷になれない
 自分を解放するのがとても苦手だからと、言っていますね。


 いろんな思いが邪魔するので。
 本能の部分ですら、アタマで考えてしまいます。
 だから、体が……本能がストップしてしまうのだと思います。


 >ななさんの別れた彼がどのような方かは、私にわかりませんが、
 もし彼がS性癖の男性だったら、ななさんが自分を解放したのを見て、
 とても感激し喜んだはずです。


 どちらかというとS寄りだったと思います。
 剃毛したがっていましたが、私がお断りする…。
 恥ずかしい行為をお願いされる…できることだけする…。
 主従関係とはほど遠いですが、
 まったくのノーマルではなかったと思います。
 恥ずかしがってる私を見るのが好きだと
 言っていましたから。


 > 自分を偽ったSEX、
 ななさんは、いやらしい自分のことがバレたら、
 自分の価値が下がってしまうとか、
 相手に嫌われたくない……、
 だから、いやらしい自分を相手に晒せる勇気もない。


 偽ったSexでもないんです。
 解放できず縛りつけているから、イキにくいというか…。
 本当にその時の気持ちで快感を得られるかどうかなんです。
 とても淫らなのに、それを認めたくないんですよね。
 おっしゃる通り「嫌われたくない」という気持ちは、
 とても強かったと思います。』


わたしは、慎二さんに問われたことに素直に答えた。


よくもまあ…こんなにあけすけに書いたものだと…。


メールだから。


会ったことのない人だから。


できるのだ。


わたしの性格からすれば、会ったことのある人には、


絶対にここまで書くことはできないだろう…。



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