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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
慎二さんにメールを送信した。


お昼休みも終わり、仕事へ戻る。


返信がくるかどうか……気になって仕方がなかった。


15時の休憩時間に、まっさきにメールをチェックしようと思った。


仕事に集中していたら、あっという間に15時になった。


私は、更衣室へ行き、スマホからメールをチェックした。


返信があり、私はすぐに読み始めた。


『私は、今日は書類の整理です。


 そうですか、ななさんは今日も仕事ですか、ご苦労さまです。


 実家では昔、ネコを飼っていましたよ。
 私はどちらかというと、犬が好きですね。
 ネコは、気まぐれでよくわかりません。


 ななさん、
 自分は奴隷になれない。自分を解放するのがとても苦手だから。
 と、言っていますね。


 ななさんの別れた彼がどのような方かは、私にはわかりませんが、
 もし、彼が、S性癖の男性だったら、
 ななさんが、自分を解放したのを見て、とても感激し喜んだはずですよ。


 お話の内容からすると、ノーマルな方のようですね。


 私なら、こう言います。


 「なな、自分を解放した後のななを、全部、認め受け入れてやろう。
 よく私を信頼して、自分を晒してくれたねと。」


 自分を偽ったSEX、
 ななさんは、いやらしい自分のことがバレたら、
 自分の価値が下がってしまうとか、
 相手に嫌われたくない……、
 だから、いやらしい自分を相手に晒せる勇気もない。
 と、思ってないですか?


 ですが、ななさん、
 貴女の内なる思いが、
 淫乱なマゾ女の性癖を解放したい、解放してくれと突き上げられて、
 こうしてメールで解決策を探しているんでしょう?


 多分、貴女は勝てません。
 Sの男性(私)の刺激ではなく、
 自分の内面から湧きあがってくる願望には。


 慎二』


会社の更衣室だというのに……。


わたしは、体が熱くなってしまった。


とても。


見透かされている気がした。


まだ、ほんの少ししかメールを交わしていないのに。


わたしの中には、いろいろな想いが渦巻いているけれど、


一部分を切り取られたような気がした。


この人は……どういう人なのだろう。


と、さらに興味が深まった。



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