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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
あの日から。


彼をまともに見ることができなくなっていた。


どうして、
私を
抱き締めたんだろう……。


あれから。


変わったことといえば、
たまに
ランチに誘われるようになったこと……。


でも、必ず、部署の誰かと一緒……。


抱き締められたのは、
たった一瞬のことだったけれど。


わたしは、
わたしの腕をつかんだ彼の力も、
抱き締められた時に感じた体温も
ふんわり香る柑橘系の匂いも。


鮮やかに覚えている……。


まさか…………。


抱き締めてみて。
思ったよりも太くて、冷めた……とか?


それ、落ち込む……。
た、立ち直れない……。


わたしは、得意?ともいえる
空想癖や妄想で、そんなことを考えた。


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