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第5章 ～　千帆を想う　～

ご主人さまからは
他にももう一通
メールがあった。


　『千帆、
　メールで千帆のことを知ると
　確かに、千帆の思いは、
　男性には重いと思う。


　私が、少しおかしいと思ったのは、
　千帆自身が、その理由も原因も知っていて、
　自分の性分だからと諦めているところ。


　相手のことを思うあまり、
　尽くしたい、
　尽くしたりない、
　嫌われたくない、
　好かれたい、
　自分を認めて欲しい……。


　自分に自信がないための
　裏返しの行為だと。


　主従関係では、
　主が、奴隷をそのように躾ける。


　千帆は、
　無意識に表の恋愛関係の中で
　奴隷のような思考で
　行動していたように思える。


　千帆の思考に
　主従関係はぴたりと
　ハマったのだと思う。


　さて、千帆。


　主という者は、いかなる者か？
　わかるか？


　基本は、


　自分の思ったときに（好きな時に）
　思ったように（好きなように）
　奴隷を責めて喜ぶ者である。


　奴隷に催促されたり、
　奴隷の都合やペースは、
　完全に無視するものである。


　またそのように、奴隷を躾ける者である。


　基本通りにはいかないが、
　そういう人種である。


　表の奴隷の実生活は、無視できないけれど。


　千帆の精神的な気持ちの抑揚、
　上下に影響を受けず、
　受け流し、冷静に奴隷を管理するものである。


　なので、調教は、
　基本私がしたい時にする。


　千帆、
　私は、こんなことも考えている。


　千帆が奴隷となり、成長したら、
　千帆と七瀬自身が、
　千帆と七瀬の全部を
　赦し合い認め合い、
　自己肯定感が強くなっていくことは
　ないのだろうかと。


　主』


私は、眉間にしわを寄せた。


どうして……七瀬……
わたしのことがでてくるのだろうか？


七瀬は……七瀬。


千帆は、千帆……。


元々、切り離したのは、
ご主人さま自身では？


奴隷名　千帆を名付けたのは、
ご主人さまなのに……。


なぜ？