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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~
5月の末、


珍しく、妹から電話があった。


「もしもし。」


「おねえちゃん……。」


泣き声の妹……、わたしは咄嗟に身構えた。


きっと……祖母のことだ。


彼のこととは、まったく違うベクトルでの悩みごと。


5月中旬、母から電話があったのだ。


祖母の体調がよくないと。
ガンかもしれないと。


検査で、あちらこちらの病院へ行き、
たしか、そろそろ結果が出るころだった。


妹が話すのを、待った。


「……おばあちゃん、ガンだった。
秋から冬くらいまで……だって。」


「……そう。」


わたしは、自分が驚くくらい冷静だった。


その理由はわかっていた。


わたしは、夫の仕事の都合で、今、


地元を離れている。


距離があって……、祖母にはまだ会えていない。


だから。


まったくと言っていいほど、


実感が沸かないのだ。


妹は、わたしの返事で


お姉ちゃんは冷たい……


と、思っただろうな。


「なるべく……、帰るようにするから。」


わたしは、そう言った。


「……わかった。」


「どこの病院に入院するか決まったら
メールでもいいから、連絡ちょうだい。」


「うん。」


わたしと妹は、短い会話を終え、


電話を切った。


おばあちゃんが亡くなるんだ……。


やっぱり


実感が沸かない……な。


厳しいけれど、


わたしを認めてくれた


おばあちゃんが……


いなくなるなんて。


わたしは、


失うものの大きさを知り、


また


いろいろなことに気づいていくことになった…。



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