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片想いの行方
第1章 2人の蓮
「…………っ」


重みでよろけそうになったあたしを、彼が咄嗟に出した腕で支える。

気付いた時には、すぐ目の前に彼の顔があった。


「…………!!」


ち、ち、近いーーー!

てか、男なのにまつ毛長っ……!

キラキラ光るフワッとした前髪が、あたしのおでこに触れる。

心臓がバクバクして、体が固まって動けない。


「…………」


姫宮蓮は、何も言わずにあたしを支える手に力を入れた。

そして、さらに抱き寄せられる。

えっ……ちょっと…

ま、待って待って……!

というより……あたしを見つめるその瞳……

吸い込まれそ……


「こらっ! そこの2人!
図書室で何をしてるの!!」


事務員のおばさんに叫ばれて、ハッと我にかえる。


「周りの迷惑になるから、静かにできないなら今すぐ出ていきなさい!」


かぁぁぁ///

は、恥ずかしい……!

みるみる顔が赤くなるあたしから、彼は静かに体を離した。

そして、もう一度あたしをじっと見た後、何も言わずに立ち去っていった。


な、なんだったのよもう……

全身から一気に力が抜けて、あたしはその場にへなへなと座り込んだ。


姫宮蓮……

鈴木蓮くんとは大違い。

一体何者なの………


彼に支えられた体が火照るように熱くて

あたしはしばらくその場から動けなかった。

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