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片想いの行方
第12章 違和感
「どうしたの? 2人とも固まっちゃって」
「…………」
放心するあたしの横で、ヒメも黙ったままだ。
「美和ちゃん?」
「……あ…え、えっと……」
優香さんは微笑むけど、あたしはどうしたらいいか分からない。
似たようなデザインとかじゃなくて、全く同じ服。
きっと偶然なんだろうけど……
なんか……
こうも違うんだって、思い知らされちゃった。
優香さんはあたしよりも背が高くて、スタイルが抜群にいいから
あたしが着た時と比べると全然違う。
優香さん、モデルみたいですごく似合うなぁ。
ちょっと……いや、かなり悲しいかも。
「………優香」
ヒメが低い声で口を開いた。
さっきまでの笑顔は消えている。
この前カフェで優香さんが声をかけてきた時と同じ目だ。
「…………っ」
あたしは違和感でいっぱいになる。
ヒメ……好きな人でしょ……?
取り戻したい程好きな人を、どうしてそんな冷たい目で見るの……?
「姫宮くん、このまま帰るなら一緒に行こうよ。
私達、家がすごく近いんだから、ね?」
ヒメが何か言う前に、優香さんが口を開いた。