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片想いの行方
第12章 違和感
体が震えるくらい、心臓がバクバク鳴り続けている。

……ヒメ……

どうして謝るの……?

どうしてそんな表情であたしを見るの……?


「…………っ」


聞きたいのに、声が出ない。

優香さんが今着てるものと……同じ服を選んだのはヒメだ。

あたしに似合うって言ってくれた。

笑って褒めてくれたよね?


……本当に偶然……?

それとも………


「行こう? 姫宮くん」


優香さんはまた元の明るい声に戻って、こっちをニコニコと見つめている。


「……! ヒメ……」


ヒメはあたしから離れ、無言で歩き出した。


「じゃあ、またね美和ちゃん」

「あ……」


あたしが何か言う前に、優香さんとヒメはメイン通りを駅と反対の方向へと歩いていく。


「…………」


呆然としてその場に立ち尽くしたまま、ただその後ろ姿を見送ることしか出来なくて


だけど

頭が混乱していた中でも

優香さんが自分の細い手を、ヒメの腕に絡ませたのを

あたしは見逃さなかった。
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