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片想いの行方
第13章 好きでいても、いいですか?
受付を済ませて、更衣室に入る。

あたしは水着に着替えて、水泳キャップとゴーグルを手に取って

入口のシャワーを通り抜けて、予定時刻の10分前に、室内プールへと足を踏み入れた。


……う……

目の前にすると、やっぱりちょっと怖いなぁ……


小学校に上がる前に、家族で行った海で溺れて以来

あたしは泳ぐことが出来なくなったんだ。

本当に大丈夫なんだろうか……


ドクドクする胸を押さえて、深い水面の前で止まると


「香月」


後ろから、低い声がして


「蓮く……!」


振り返ったすぐ後ろに、蓮くんが微笑んでいた。

…………!

や、やば……!!

いきなりこんな近くで、蓮くんを拝めるなんて……

こ、心の準備が……

「良かった、時間通り来てくれて。
もうみんな揃ったから始めるんだ……
……香月?」

「は、はははい!!」


ずっと図書室から眺めていた、蓮くんの水着姿。

……今更だけど、ほぼ裸なんだよね……///

無駄なものが一切ついていない、引き締まった体。

まだキャップをかぶっていない、整った髪。

イ、インパクト強すぎて.クラクラするよ。


「緊張してんの?」

「は、はい、ちょっと……」


あなたの体を見て、あたしの体が破裂しそうなんです……!

すると、蓮くんは笑って私の頭をぽんっと叩いた。


「大丈夫。
俺が近くにいるから、安心して」

「…………!!///」

「行こう」


一番奥のレーンに向かって、蓮くんはプールサイドを歩き出した。

し、心臓が……!

しっかり準備運動しないと止まっちゃうよ……

あたしはギクシャクする腕を何とか振って、蓮くんの後を追った。
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