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片想いの行方
第13章 好きでいても、いいですか?
水泳教室は、新藤先生と蓮くんの二手に分かれて行われる。

新藤先生の方に、少し泳げる子達が集まって

蓮くんが、全く泳げない子の担当。

といっても、既にプールに入った人数を見ると、大半は新藤先生の方のようだった。

蓮くんとあたしは、もうひとつ別にある、さらに小さなプールの方に移動する。

そこには

両腕にアームリングの浮き輪を付けた、小さな女の子が1人でぽつんと待っていた。


「陽菜(ひな)今日は2人だよ」


蓮くんは女の子に話しかけた後、あたしの方に振り返る。


「俺ビート板持ってくるから、ちょっと待ってて」

「う、うん……」


蓮くんが離れたあと、あたしはプールサイドに座っていた、その女の子の隣りにしゃがんだ。


「えっと……ヒナちゃん…?」

「……うん」


話しかけると、陽菜ちゃんは小さく頷いた。


「陽菜ちゃんは何年生?」

「3年生」

「そっか。水泳教室は初めてなの?」

「……7月から、日曜日にきてるの。
でも、ぜんぜん泳げるようにならない。
学校の友達は、みんな泳げるのに……」


陽菜ちゃんは今にも泣きそうな顔をしている。

分かるなぁ……

今はもう開き直ってるけど

あたしも小学生の時、泳げなくて何回も嫌な思いをしたから。
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