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片想いの行方
第14章 夏祭り
それから、2人で屋台をはしごして

……悔しいけど、正直言って楽しい。

ヒメは甘いものを片っぱしからどんどん平らげていく。


お店の女の人は、大概ヒメを見ると目をハートにして大盛りにしてくれるし

杏子飴屋のおじさんは、ヒメが面白おかしく会話を盛り上げるからご機嫌になり、1個オマケしてくれた。

……杏子飴をタダでくれるなんて、初めてだよ……



そうして屋台で買った食べ物を沢山持って

曲がった商店街の1番奥まで来ると、ちょうど7時を知らせる鐘が鳴った。


「ヒメ!あと30分で花火だよ!
あたし見たい!さっきの道に戻ろうよ」


もしかしたら携帯が繋がって、アンナ達と合流できるかもしれないし!

そう思ってヒメの腕を引っ張ろうとしたけど

ヒメはそのまま商店街を抜けて歩き出した。


「………!ちょっとどこ行……」

「戻っても激混みで見れねーよ。
こっちの道から行った方が、比較的空いてる」
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