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片想いの行方
第14章 夏祭り
「え?そうなの?」

「地元だし。小さい頃から何度も来てるから」


ヒメは土手を右手にした細い道を、スタスタと進んでいく。

そっか~。

高校から近いこの場所は、ヒメの地元なんだよね。

穴場的なところがあるのかな?

ラッキー!

……って

そしたらあたし、このままヒメと2人で花火を見るのか……?


「なに突っ立ってんだよ。置いてくぞ」


ヒメが杏子飴を咥えながら振り返る。

……まぁいっか。

あたしは再び足を前に進めて、ヒメの隣りに並んだ。


………だけど

急に、ヒメがピタリと足を止めた。


「…………?」


その視線を目で追うと……


「…………!!」



目の前を見て、一瞬にして体が硬直する。


私とヒメが向かおうとした、その先から……


手を繋いだ蓮くんと優香さんが歩いてきた。


「…………!」


蓮くんも、あたし達に気付いて足を止めた。
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