パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 花火

「……美和」


ヒメが口を開く。


「うん……？」

「お前は……蓮が好きか……？」

「………！」


ヒメの質問に、ドクンと心臓が鳴る。

体中が緊張するように、固まった。

……あたしは……


「……うん。好きだよ」


素直に自分の気持ちを口にする。


「水泳教室で、蓮くんをもっと知ることができて……
今まで以上に好きになったよ」


優香さんという、彼女がいたとしても

どうしてもこの気持ちを消すことはできない。


……ヒメ……

どうして改まって聞くの……？

蓮くんと近くなるきっかけは、ヒメが作ってくれたんだよ？

彼女がいても、奪ってでも手にいれろって

言ったよね……？


「ヒメは……
優香さんのことが、まだ好きなんだよね……？」


あたしは、どうしても聞きたかった一言をヒメに投げかけた。

……ヒメが、あたしに協力してくれた理由。

アンナが言ってた、ずっと前からいる好きな人が……

あの人なんだよね……？



ヒメは、少しの間沈黙して

夜空を見上げて、絞り出すように言った。



「俺は……あいつを救いたいんだ。

あいつがまた心から笑えるように

………幸せに、なるように」