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第15章 花火

「…………っ」


あたしは言葉を失う。

ヒメが呟いた言葉が

心の底から発した本音だと、直感で気付いた。


蓮くんと、優香さんと、ヒメの間に何があったのかは分からない。

優香さんの態度が違うことも、結局知ることができない。

……ヒメは、その事はあたしに言わない気がしたから。



だけど

理由を聞かなくても

ヒメがずっと片思いをしてるのが、彼女だということが

あたしの心に深く突き刺さった。


「……ヒメ……」


あたしは口を開いた。


「……あたしが、いつか蓮くんに告白して

奇跡が起きて、蓮くんがあたしのところに来てくれたら……

ヒメも幸せになれる……？」