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片想いの行方
第2章 通称 ヒメ
キーンコーンカーン……


「やばっ。もうお昼終わりだ。
戻るよ美和」

「うん」


午後イチから数学だ。

あの先生は怖いから、遅れたらマズイ。

あたしとアンナは急いで立ち上がって教室に向かった。

教室の扉をあけると……


「あれっ?」


教壇に先生がいない。


「おかえり~2人とも。
今日数学自習だってさ~」


1番後ろの席に座っていた子が、あたしとアンナの姿をみつけて教えてくれた。

前後の子とお喋りしてたり、音楽聞いてたり、寝てる子もいる。


「なんだ、急いで戻ってきて損した。
ラッキー、私寝るわ」


アンナが欠伸をしながら、自分の席に戻っていったので

あたしもホッと胸をなで下ろして、自分の席に向かった。

今日は天気が良いし、外から入ってくる夏の風が気持ちいい。

お昼食べてお腹いっぱいだし♪

あたしも寝ようかな~。

そんなことを思いながら席に着いた時だった。



「おい、そこのストーカー女」

「………!」


こ、この声…

……そうだった……また忘れてた。


恐る恐る振り返ると

机に肘をついた姫宮蓮が、あたしを真っ直ぐ見ていた。
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