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片想いの行方
第20章 彼の勇姿
* * *
「……あはは。美和ちゃん大丈夫?」
周りの観客がほぼ帰り終わった頃
新藤さんがペットボトルの水を持って戻ってきた。
「はい、どうぞ。
みんなはもう親御さんが迎えに来たから、先に帰らせちゃったよ」
「……すみません」
新藤さんからペットボトルを受け取りながら、あたしはペコッと頭を下げた。
……まだ、心臓がドキドキしてる。
あんなに大声を出したのも久しぶりだった。
「美和ちゃん家どこだっけ?
俺バイクで来たから、良かったら後ろ乗ってく?」
「えっ!?」
新藤さんの言葉に、飲んでいた水を吹き出しそうになる。
「ヘルメットもうひとつ持ってるからさ……っと。
あ、電話だ」
新藤さんは鳴り出した携帯を取り出した。
「もしもし、蓮?」