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片想いの行方
第20章 彼の勇姿
その名前を聞いて、ドキッと心臓が鳴る。


「おめでとう。良かったな。
うん、聞こえた? みんな大興奮だったよ」


新藤さんはそこまで話すと、電話で話したまま私の方に振り返った。


「……蓮、もう帰れるか?

実は、美和ちゃんが蓮の泳ぐ姿に感動してさ。

腰を抜かして立てなくて、今まだ席に座ったままなんだよね」


「………!///」


その言葉にビクッと反応すると、新藤さんは笑顔のまま続けた。


「俺が送っていきたいところなんだけど、メット忘れちゃって。

心配だから、お前に頼んだわ」



新藤さんが電話を切る。

胸がドキドキうるさくて、どんな顔をしていいか分からない。


「というわけで、蓮にお供を頼んだからね。
気を付けて帰るんだよ、美和ちゃん」

「し、新藤さん……」

「……蓮は、君の前では素直によく笑うんだ。
俺は、美和ちゃんのことを応援してるからね」

「……え……?」
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