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片想いの行方
第22章 ゆらめき
「………! 鈴木!
やっぱりお前か!!」
入口の方から、水泳部の先生の声が聞こえてくる。
「あーあ、見つかっちまった」
蓮くんは飛び込み台の横から顔だけ出して、先生の声がする方に手を挙げた。
し……
沈まれ、心臓……!
「まったくお前は。
帰りがけにプールから音がすると思って来て見たら……
たまたま当直が俺だったから良かったものの、他の先生達に見つかってたらエライことだぞ。
練習熱心なのはいいが、こんな事させる為にカギを渡したんじゃないからなっ!」
先生は溜息混じりに話す。
「もうそろそろ帰ろうと思ってたとこです。
無性に泳ぎたくなっちゃって。
あ、コーチに聞いたかもだけど、俺今日南高に勝ちました」
「お!そうか!!
コーチからの結果メールをまだ見てなかったんだ。
よしよし、明日ちゃんと報告してくれ」
先生は嬉しそうな声を出す。