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片想いの行方
第22章 ゆらめき
「じゃあ、本当にもう帰れよ!
勝ったことに免じて、特別に何も見なかった事にしてやる」
「ありがとうございます」
蓮くんが笑顔で言うと
先生の足音はだんだんと遠ざかっていった。
「……あぶねー。 さすがに俺も焦った」
蓮くんは入口から完全に先生の姿が見えなくなるのを確認してから、ふぅっと息をはいた。
「顧問で良かった。
香月、急に引っ張ってごめん。 大丈夫?」
蓮くんがあたしの顔を覗き込む。
……蓮くん………
あたし…… 全然大丈夫じゃない……
足音が聞こえた瞬間
蓮くんはあたしをプールの中に連れ出して、左腕で抱えた。
そのまま飛び込み台の下まで行き、入口からは見えないようにあたしを隠して
自分だけ顔を先生の方に向けた。
あたしの身長では、つま先が辛うじて付くくらいだから、溺れないように、片手でがっしりと体を支えてくれている。
あたしは蓮くんの胸にピッタリと顔を寄せて、ただひたすらじっとしているしかなかった。
心臓が………
これでもかってくらい、激しく鼓動を続けている。
その音は
向かい合って密着してるから、きっと蓮くんにも聞こえてる……
勝ったことに免じて、特別に何も見なかった事にしてやる」
「ありがとうございます」
蓮くんが笑顔で言うと
先生の足音はだんだんと遠ざかっていった。
「……あぶねー。 さすがに俺も焦った」
蓮くんは入口から完全に先生の姿が見えなくなるのを確認してから、ふぅっと息をはいた。
「顧問で良かった。
香月、急に引っ張ってごめん。 大丈夫?」
蓮くんがあたしの顔を覗き込む。
……蓮くん………
あたし…… 全然大丈夫じゃない……
足音が聞こえた瞬間
蓮くんはあたしをプールの中に連れ出して、左腕で抱えた。
そのまま飛び込み台の下まで行き、入口からは見えないようにあたしを隠して
自分だけ顔を先生の方に向けた。
あたしの身長では、つま先が辛うじて付くくらいだから、溺れないように、片手でがっしりと体を支えてくれている。
あたしは蓮くんの胸にピッタリと顔を寄せて、ただひたすらじっとしているしかなかった。
心臓が………
これでもかってくらい、激しく鼓動を続けている。
その音は
向かい合って密着してるから、きっと蓮くんにも聞こえてる……