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片想いの行方
第25章 動き始めた感情
* * *


スクールを出る時には、夜の10時を回っていた。

それでも、俺は泳ぎ足りない。

今すぐプールに戻って、夜通し練習していたいくらいだ。


「追い込み過ぎるなよ、蓮。
コーチの言う通り、明日は気分転換した方がいいよ」


駐輪場まで歩く途中で、新藤さんが優しく笑う。

だけど、俺はどうしても納得がいかない。


「新藤さん、俺今タイム上がってないんです。
このままだと勝てない。
本番の前に、調子戻しておかないと……」

「無駄だよ」


俺の言葉を遮り、新藤さんは続けた。


「今の蓮じゃ、何万キロ泳いだって意味ないよ」

「…………!」

「……全然集中できてないから」
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