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第26章 交差する想い

屋上には、あたし達以外誰もいない。

隣りに座ったヒメの顔が近付いてくる。

や、やば……！


「違うもん！」


慌ててヒメから視線を外して、ベンチの１番端っこに離れる。


「アンナが帰ってくるまで時間があるから、屋上でも行って待ってよーかなって思っただけ！」

「……ふーん」


ヒメはニヤニヤしながらあたしを見ていた。

もう…… 油断も隙もないんだから……

って、図書室であんなことされたのに、ここまで来たあたしもあたしだけど……


「……ヒメはなんで屋上に来たのよ」


顔を背けたまま話すと、ヒメが口を開く。


「俺は呼び出されたんだよ」

「呼び出し？誰に？」

「…………」

「～～ま、まさか誰かから告白……！？///」

「いや……」


その時

ガチャッという音が聞こえて、屋上のドアが開いた。


「…………！」


その姿を見て

あたしは一瞬で固まった。


「……蓮くん……」