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片想いの行方
第26章 交差する想い
「…………っ」
その冷たくて低い声で
あたしはピタッと足を止める。
蓮くんは、そのまま何も言わずに屋上を出ていってしまった。
「……蓮く……」
最後……一度もあたしの事を見てくれなかった……
……ついこの前までは
とびきりの笑顔を見せてくれて
優しく話しかけてくれていたのに………
放心して立ちすくむあたしの横に、ヒメが並んだ。
「…………っ」
ふつふつと、黒い何かが心の中を埋め尽くしていく。
「……なんで、止めたの?」
あたしはヒメを睨みつける。
「蓮くん、ヒメが優香さんを誘ってるって思ってるんだよ?
……逆じゃん!」
「…………」
「なんで本当の事教えてあげないの!?」
無性にイライラする。
あたしの脳裏に、優香さんの勝ち誇った顔が浮かび上がってきた。
「……美和」
ヒメはあたしの頭をぽんっと叩いて笑った。
「そんなにカリカリすんなって。
顔がブサイクになってる」
「…………!」
あたしは頭の上の手をバッと払い除ける。
「~~茶化さないで!
優香さんを庇う必要なんてないよ。
ヒメも蓮くんも、なんであの人の本性に気付かないの……」
………!
あたしはそこまで喋ると、ハッとして口に手をあてた。
その冷たくて低い声で
あたしはピタッと足を止める。
蓮くんは、そのまま何も言わずに屋上を出ていってしまった。
「……蓮く……」
最後……一度もあたしの事を見てくれなかった……
……ついこの前までは
とびきりの笑顔を見せてくれて
優しく話しかけてくれていたのに………
放心して立ちすくむあたしの横に、ヒメが並んだ。
「…………っ」
ふつふつと、黒い何かが心の中を埋め尽くしていく。
「……なんで、止めたの?」
あたしはヒメを睨みつける。
「蓮くん、ヒメが優香さんを誘ってるって思ってるんだよ?
……逆じゃん!」
「…………」
「なんで本当の事教えてあげないの!?」
無性にイライラする。
あたしの脳裏に、優香さんの勝ち誇った顔が浮かび上がってきた。
「……美和」
ヒメはあたしの頭をぽんっと叩いて笑った。
「そんなにカリカリすんなって。
顔がブサイクになってる」
「…………!」
あたしは頭の上の手をバッと払い除ける。
「~~茶化さないで!
優香さんを庇う必要なんてないよ。
ヒメも蓮くんも、なんであの人の本性に気付かないの……」
………!
あたしはそこまで喋ると、ハッとして口に手をあてた。