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片想いの行方
第26章 交差する想い

……ヒメが誘われてる事実を言わないのは

……優香さんが好きだから……


「…………っ」


黙り込んだあたしを、ヒメは無言で見ていたけど


「……まったく。
あっちもこっちも世話が焼けるな」


それだけ言うと

あたしを置いて、そのまま屋上を出ていってしまった。

……世話が焼ける……?


「……なんなのよ、もう………」


1人で残されて

悔しくて、悲しくて

気持ちがグチャグチャだ。




その時


「あー!こんなとこにいたーー!」


バンッ!と勢いよくドアが開いて

あたしの姿を見つけたアンナがズンズン近寄ってきた。


「もー! 探したんだからね!
カバンは教室に置かれたままだし、携帯に電話しても出ないし!」

「…………」

「屋上にいるならいるって最初っから………
……美和?」


アンナがあたしの顔を覗き込む。


「………っ」


もう、やだよ……

どうすればいいの?

どうしたらよかったの?


蓮くんも、ヒメも

自分の気持ちも


もう、分からなくなってきちゃったよ……

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