この作品は18歳未満閲覧禁止です
片想いの行方
第37章 ひとつだけの宝物
.。.:* side ヒメ *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
……落ち着け。
状況をよく整理するんだ。
息を整えようとして、胸に手を当てる。
だけど
地べたに座り、涙を流して蓮の後ろ姿を見つめる美和と
蓮に殴られた頬から伝わる、鈍い痛みで
動悸が止まらねぇ。
………それでも
「………美和」
俺が呼ぶと、美和が振り返った。
「……ここで待ってろ。
俺がもう一度、蓮を連れ戻してやるから」
「…………っ」