パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第37章 ひとつだけの宝物

……………………………………………


原宿で行われていたクリスマスイベント。

誘われたまま参加していたその場所で、蓮からメールが入っていることに気付いた。


………？


……なんだ？

珍しいどころか、優香との一件以来

アドレスは知っていても、俺と蓮はメールなんて１度もしたことがない。

首を捻りながら画面を開くと、一文だけ書かれていた。



“ いつまでも泣いてんじゃねーよ。泣き虫 ”



………はぁ！？


意味が分からねぇ上に、その一言にやけにイラッとさせられて

俺はイベント会場から外に出て、大通りの歩道で蓮に電話をかけた。

色とりどりのイルミネーションが、冬空の下で輝いている。


『……おい、なんの冗談だ』

『今どこ？』


俺の質問には答えず、電話の向こうから蓮が聞いてきた。


『……原宿だけど。
それよりあのメールの意味を……』

『そこから地下鉄で20分かからないから、俺の気が変わらないうちに今すぐ来いよ。
このチャンスを逃せば、次は無い』



電話の向こうの蓮は、少し笑ったような声で続けた。



『お前の涙が止まる、俺からの特別なクリスマスプレゼントだ。

……世界にたったひとつしかない、高価な宝物だから。

今取りに来ないと、二度と手に入らないぜ』