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片想いの行方
第39章 片想いの行方
「……美和は、毎回幸せって言ってたな」
「………!」
俺の言葉に、ヒメが振り返る。
「最初は痛そうで、必死に俺にしがみついてたけど。
そのうちにスッゲー色っぽい声で俺の名前を呼ぶようになって。
抱く度に、マジで可愛かった」
………どうだ。
さすがに今のはアンフェアだとしても、てめぇがこんな話を始めるのが悪い。
言い返してこない奴を不思議に思い、もう一度ヒメの顔を見ると
「…………!」
ヒメは怒るでも笑い飛ばすでもなく
ただ切ない顔をして、流れる川を呆然と眺めていた。
「……ぶっ……」
思わず吹き出した俺を、ヒメが睨みつけてくる。
「……なに笑ってんだよ」
「……ヒメ……お前その顔……!
どんだけ落ち込んでるんだよ。
さっきまであんなに俺に自慢してたのに………くくくっ」
美和のことになるとすぐ、本性を顔に出すことは知っていたけど
まさかこんな子犬のような悲しい顔になるとは……
俺は笑いが止まらない。
「うるせー!!
呑気に笑ってるけどな、美和に先にキスをしたのは俺だ!」
大声を出したヒメを見ても、俺はまだ余裕で笑っていられた。
まぁ、最初はこいつの方が美和と仲が良かったわけだし。
美和を目の前にすれば、その衝動を抑えられないのも分かる。
「そうか、良かったな。
ムカつくけど、特別に許してやるよ」
「………!」
俺の言葉に、ヒメが振り返る。
「最初は痛そうで、必死に俺にしがみついてたけど。
そのうちにスッゲー色っぽい声で俺の名前を呼ぶようになって。
抱く度に、マジで可愛かった」
………どうだ。
さすがに今のはアンフェアだとしても、てめぇがこんな話を始めるのが悪い。
言い返してこない奴を不思議に思い、もう一度ヒメの顔を見ると
「…………!」
ヒメは怒るでも笑い飛ばすでもなく
ただ切ない顔をして、流れる川を呆然と眺めていた。
「……ぶっ……」
思わず吹き出した俺を、ヒメが睨みつけてくる。
「……なに笑ってんだよ」
「……ヒメ……お前その顔……!
どんだけ落ち込んでるんだよ。
さっきまであんなに俺に自慢してたのに………くくくっ」
美和のことになるとすぐ、本性を顔に出すことは知っていたけど
まさかこんな子犬のような悲しい顔になるとは……
俺は笑いが止まらない。
「うるせー!!
呑気に笑ってるけどな、美和に先にキスをしたのは俺だ!」
大声を出したヒメを見ても、俺はまだ余裕で笑っていられた。
まぁ、最初はこいつの方が美和と仲が良かったわけだし。
美和を目の前にすれば、その衝動を抑えられないのも分かる。
「そうか、良かったな。
ムカつくけど、特別に許してやるよ」