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片想いの行方
第39章 片想いの行方
余裕で言った俺に対して、ヒメは少ししてから口を開く。


「……もうひとつあったな。
美和を最初にイかせたのも、俺だから」

「…………!」


……待て。

それは聞き捨てならない。

俺の表情を見たヒメは、勝ち誇ったように笑った。


「まだお前と美和が付き合う前、始業式の図書室で。
誰かさんはその前日、プールの中で未遂に終わったらしいけど」

「…………!」

「そんな美和の火照った欲求を、俺がこの手でしっかり満たして、気持ちよくしてやったから。
残念だったね、蓮くん♡」


~~~あの時の!

こいつ……!

ふざけんな………!!


「………ちょっと来い」


俺が立ちあがると、ヒメは溜息をつく。


「まだやる気かよ。
もう俺無理。
体どころか心まで打たれて、これ以上動く気しねぇ」


そんなヒメの姿を見て、一度立ちあがった俺も、再び腰を下ろした。


「俺と美和の話を聞いて、相当ショックだったんだな」

「それは蓮もだろ」

「「…………」」


しばらく沈黙した俺達は


同時に笑いだした。



「……アホか。
どれだけ美和に夢中なんだよ」

「つーかマジでさっきの顔……
写真に撮って美和に見せたかったな。
拗ねてるヒメなんて、誰も見たことねーだろうし」



………こんなにアホみたいに笑ったのは


この場所で、初めてヒメとサッカーをして以来かもしれない。


結局俺は、こいつといると


自然に笑うことができて、なんだかんだで1番楽しいんだ。


………本人には、絶対に言わないけど。
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