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片想いの行方
第6章 ドキドキする理由
「うん、邪魔してごめんね」


ヒメが目を合わさないのに、優香さんは笑顔のまま続ける。


「たまたま通りがかっただけだけど、偶然姫宮くんに逢えて嬉しかったわ。
また前みたいに話したいし、いつでも連絡してきてね」


そう言った後、あたしの方に振り返った。


「いきなりごめんね。
私、優香っていいます。 えっと……?」

「あっ、あたし香月美和です」

「美和ちゃんかー。 可愛いね」


……えっ……!///

か、可愛い!?

そんなこと初めて言われたー!!


「アホ。お世辞に決まってんだろ」


赤くなって照れているあたしに、ヒメの冷たいツッコミが入る。


「わ、分かってるもん!」

「どーだか。完全に真に受けてる様子だったけど」


も~~こんな時もバッサリ言うんだからっ!

遠慮のない正直な男だな!

あたしがプリプリ怒っていると、優香さんはクスクス笑った。


「仲良しなんだね。
嬉しいなぁ、姫宮くんにこんな可愛い仲間がいるって分かって、安心した」

「……もう行けよ」

「うん。 じゃあまたね」


優香さんはウェーブのかかった長い髪を、ふわっとなびかせて去って行った。

……素敵だなぁ♡

本当はあんな風な髪型にしたかったんだけどなー。

その美しい後ろ姿がメイン通りに消えるまで、あたしはうっとりと見つめていた。


……それにしても。
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