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片想いの行方
第43章 突然の…
「………は?」
ヒメが答える前に
その手からバッと自分の左手を離して、腕時計を見た。
「…………!」
………ドクンと心臓が鳴る。
奈々さんの後を追った時は、ちょうど8時だった。
その後に諸々を片付けたとしても
普通に会社を出ていれば、充分間に合っていたはずだ。
……なのに……
「今、夜の9時30分だけど。
なんか約束でもあった?」
「…………っ」
ヒメの言葉を聞き終わらないうちに
私はベッドから飛び出した。
「おい……!」
近くのテーブルにあった自分のバッグを掴む。
どうしよう………!
ドクドクと不穏な音が大きくなり、さっきまで忘れていた酷い頭痛がしてきた。