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片想いの行方
第47章 探り合い
一条さんのマンションから、少し歩いた先にある小さな公園。
途中、ヒメが自販機でホットココアを買ってくれて
私とヒメは、砂場の前にあるベンチに並んで座った。
……あんなに声を出して泣いたから
少しだけ頭がぼーっとする。
夜の9時を過ぎて、息が白く濁るほど空気は冷たいけど
ヒメが隣りにいてくれて、ココアを握りしめる手から、温かさが伝わってきて
私はだんだんと、心が穏やかになるのを感じていた。
「……で?
そのツッコミ所満載の説明だけじゃ、まったくもって意味不明なんだけど」
缶コーヒーを飲み干して、ベンチの隣にあるゴミ箱に放り込むと
ヒメは顔を前に向けたまま口を開いた。