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片想いの行方
第6章 ドキドキする理由
「名前で呼べるクラスメートに昇格したんだから、気を抜かずにいけよ」

「……うん。なんかドキドキしてきた……」

「大丈夫だ。
お前が頑張れば、俺が全力でサポートしてやる」


ヒメは手を伸ばすと、あたしの頭を軽く撫でた。

……不機嫌になったかと思えば、また優しくなったり

こんなキラキラした表情を見せたり……ヒメってよく分かんない……

なぜかその笑顔を真っ直ぐ見れなくて、あたしは目を逸らした。

な、なんか会話しなきゃ……


「そ、それにしても!
さっきの優香さん、本当に綺麗な人だったね!
あんな風になれたら、蓮くんにもっと積極的に行けそうなのになぁ」

「また話ぶり返すのかよ」


ヒメは呆れたように溜息をつく。


「だ、だって……誰が見たって、あんなふわっとした感じ憧れるよ。
大人っぽくて、すごく女性らしくて、男だったらみんな……」

「そんなのお前の偏見だ。
美和は、美和らしくいればいいよ」

「………!」

「蓮だって絶対お前の良さに気付く。
俺が保証する」


………

……このドキドキは、課外授業の前触れだ。

この時のあたしは、そう思っていた。

……胸の奥から込み上げる何かに、気付かないふりをして……
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