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片想いの行方
第49章 償いの理由
ヒメは寝息を立てて熟睡している。
私は体をよじって、ヒメの方向に向いた。
………キレイな顔だな………
高校の頃のあどけなさも少しだけ残っているけど
大人になった彼の顔は、誰が見ても虜になってしまうほどの美しさだった。
その上、あの瞳で見つめられて
あの声で歌われたら……
「……ずるいなぁ……」
私は小さく呟いた。
ドキドキしてしまうのは、ヒメのせいだ。
「……美和……」
「……………!」
目を閉じたまま、ヒメが口を開いたので
私は慌てて体を反対の方向に向けようとする。
すると
「………腹減った………」