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片想いの行方
第50章 真実
* * *
「私達の上司?」
「はい。
多分今は居ないと思うんですけど、美和とも関わりのある奴で。
思い当たる人いませんか?」
インスタントのコーヒーを飲みながら、奈々さんは考えるように首を傾げる。
“ 会社の近くの高級マンションに住んでいる ”
“ 立場上逆らえない ”
美和から聞いたそれらから、きっとこの社内の人間だと予測していた。
「あぁ~思い出した。
そういえばそんなのがいたわね」
奈々さんは手をぽんっと叩いて続ける。
「上司っていうか、会社の中では幹部クラスにいた偉い人よ」
「……名前は、一条?」
俺の言葉に、奈々さんは目を丸くする。
「そうそう!
でもヒメくん、なんで知ってるの?
一条さん、2年前から休職してんのよ?」
………ビンゴ。