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片想いの行方
第55章 変わらない2人
「あー笑ったから腹減った。
早く店連れてけよ」
「…………」
~~~行くんじゃん!
心の中で叫んだけど
今夜はこのヒーローへの恩返しの日だから……
私はその言葉を飲み込んで、スタスタと歩き出した。
「何の店?
つーか既に1時間くらい遅刻じゃね?」
ヒメはいつものしれっとした感じに戻っている。
……本当はオシャレなイタリアンでも行こうかと思ってたけど
あの頃と変わらない態度で接してくるヒメを見てたら、背伸びするのがバカらしくなってきた。
「もとから予約してないもん。
高架下の飲み屋さんなら、どこか入れそうじゃない?」
「高架下の飲み屋!?
お前、まさかそれがお礼とか言うんじゃねーだろーな」
ヒメの言葉にも私は動じない。
どうせいつもは他の女の子と素敵なお店に行ってるんだろーし
なんとなく抵抗したくなった。