この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
片想いの行方
第58章 忘れられない人
.。.:* side 美和 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
「……悔しいけど。やられたわ」
クリスマスライブが終盤となったところで、アンナが溜息をついた。
「あいつ、こんな才能まであったなんて。
やっぱり人間って不公平ね」
下のフロアを見下ろすこの位置からは、ヒメの表情はよく見えないけど
クリスマスソングにのせて、透き通った歌声が心に響く。
「アンナ、体調大丈夫?
もう少しで終わるけど、無理そうだったら早めに家族の人に……」
「だーいじょうぶ!超元気。
私が行きたいって言ったんだし、こんな特等席用意してもらったんだから。
妊婦だからってずっと家にいたらストレスになるのよ?」
ふかふかのソファにゆったりと座り直して、アンナは二カッと笑った。
「誘ってくれてありがとうね、美和。
まぁ、ヒメとしては美和1人に来てほしかったんだろーけど♡」
「……アンナと来いよって、チケット2枚くれたから……」
アンナと同じホットティーを飲みながら
私は小さい声で答えた。
クリスマス当日。
夜の9時半。
煙草の煙が届かない、小2階のロフトスペース。
体調の良いアンナが絶対行きたい!と言ってくれたので、ヒメのジャズバーに2人で来た。
フロアは満席。
カップルが多いけど、女性だけのグループもいくつか見られる。
みんな、ヒメの歌声に酔いしれていた。
「……悔しいけど。やられたわ」
クリスマスライブが終盤となったところで、アンナが溜息をついた。
「あいつ、こんな才能まであったなんて。
やっぱり人間って不公平ね」
下のフロアを見下ろすこの位置からは、ヒメの表情はよく見えないけど
クリスマスソングにのせて、透き通った歌声が心に響く。
「アンナ、体調大丈夫?
もう少しで終わるけど、無理そうだったら早めに家族の人に……」
「だーいじょうぶ!超元気。
私が行きたいって言ったんだし、こんな特等席用意してもらったんだから。
妊婦だからってずっと家にいたらストレスになるのよ?」
ふかふかのソファにゆったりと座り直して、アンナは二カッと笑った。
「誘ってくれてありがとうね、美和。
まぁ、ヒメとしては美和1人に来てほしかったんだろーけど♡」
「……アンナと来いよって、チケット2枚くれたから……」
アンナと同じホットティーを飲みながら
私は小さい声で答えた。
クリスマス当日。
夜の9時半。
煙草の煙が届かない、小2階のロフトスペース。
体調の良いアンナが絶対行きたい!と言ってくれたので、ヒメのジャズバーに2人で来た。
フロアは満席。
カップルが多いけど、女性だけのグループもいくつか見られる。
みんな、ヒメの歌声に酔いしれていた。