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第59章 弱さと痛み

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「………美和？」


ベッドに私を降ろした後、首筋に何度もキスを落としていた蓮くんが

不思議そうに私を見つめる。


「どうした？」

「………蓮くんと、初めてひとつになった日を思い出したの」


覆いかぶさる蓮くんの頬に手をあてて、私がもう一度微笑むと

彼は苦笑いを浮かべた。


「……俺はあまり思い出したくねーな」

「どうして？」

「美和がすっげー痛がるから。
終わった後、これからはキスだけじゃダメ？って言うし」

「……そんな事言った？」

「あぁ、マジでへこんだから覚えてる」


……そうだったっけ。

自分では鮮明に思い出せているようで、意外と覚えていないものなのかな……

蓮くんが再び下へと降りていく中、私は静かに目を閉じた。

あの頃と変わらない引き締まった体が、私を優しく包み込んでいるけど

蓮くんの唇と手によって、押し寄せてくる快感の波が強くなる。


「……っ　…ん……」

「……美和……」


蓮くんが私の名前を呼ぶ度に、全身がきゅんと締め付けられるようで

身体の中心が熱くなる。



「…………好きだ。

初めてこうした時よりも、ずっと深く

美和を愛してる」