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片想いの行方
第59章 弱さと痛み

蓮くんの本社ビルから近い、高層マンション。

ついさっきまでそのふもとにいた東京タワーが、この部屋から小さく見える。

実家が都内にあり、日本にいる方が少ない中でも

終電に乗れる方が少なく、徹夜も多い激務であることから、蓮くんは本社の近くにこのマンションを借りていた。


……27歳のこの背中に、どれだけの責任を背負っているんだろう。


着ていた服を全て外すと

蓮くんは体を起こして、じっと私を見下ろす。

ベッドの横の間接照明が淡い光を放ち、その瞳を照らしていた。


「……綺麗だな。
抱くのがもったいねーくらい」

「………っ 
ドキドキするからもっと暗くしてもいい?」

「だめ」


再び唇が重なる。


「………! ……ん……っ」


苦しいくらい舌が深く絡んで、私はその背中に手を回した。

蓮くんの右手が、私の中心に与える刺激。

ビクビクと震える快感に耐えながら、天井に目を向ける。



………1ヶ月前

あの部屋の天井には、イミテーションの星空が広がっていた。



「……………っ」



………酷い女………

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