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片想いの行方
第60章 裏HERO

「……………!」

「俺、それが1番の目的だったんだ」



ヒメは私の頭にぽんっと手を乗せて続ける。



「美和が、“ 自分の口から ” 言えた事に意味があるんだ。

周りが何をしても、苦しんだ本人が納得しなきゃ、本当の意味で解放されたことにはならねーから。

国外に追放される前に、もう一度あいつが来ることは大体予想してたんだよ」



ヒメは笑顔で私を見つめた。

胸がドキドキして苦しくて、私は目を離せない。



「よく頑張ったな」

「……………っ」



口が悪くて、イジワルないつもの彼とは思えないくらい

ヒメは優しい表情で微笑んだ。


「会わずに終わることもできたのに、ちゃんと自ら絶交宣言が出来たんだ。

これで本当にスッキリしただろ。

いつまでも憎み続けて、あいつが美和の心に留まる事自体、嫌だったから。

そういう意味で、俺もスカッとした」


「……ヒメ……」


「よくやったよ。

約束通り、ちゃんと俺に心からの笑顔を見せてくれた。

俺、もう何も心残り無い。

………美和、お前最高だよ」
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