この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
片想いの行方
第62章 過去と未来

「…………っ」
「……私にいっぱい幸せをくれてありがとう。
私、蓮くんにどれだけ感謝してもし尽くせない。
蓮くんが一条さんを葬ってくれたから、私はまた笑顔になれたんだよ。
蓮くんが………っ」
美和の言葉を遮って
俺はきつくその体を抱きしめた。
「…………!」
“ 残酷な人ね ”
別れ際に言われた、瑠璃の言葉を思い出す。
俺が瑠璃に言った過去形の言葉を、まさに今、美和から告げられた。
だけど
「……美和……」
愛しいその体を包み込んで
俺は静かに続ける。
「………ありがとう。
充分伝わった。
俺も、美和と付き合えたあの頃が1番幸せだったよ」

