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片想いの行方
第62章 過去と未来
「……蓮くん……」


あー… 結局俺は美和を泣かせてばかりだな。

その頬に伝わる涙を、そっと指で拭う。

前に別れた時と同じように、優しく背中を押してあげたいけど

俺は自分の涙を抑えるのに精一杯で、うまく言葉にすることができない。


「……美和………」


搭乗の最終アナウンスが流れる。

高校生の時と同じ様に泣きじゃくる美和に、俺は最後の我儘を言った。


「………笑ってよ、美和。

今までも、これからも

俺はお前の笑顔が大好きなんだ」


「……………っ」



頬に流れる熱い光。

……だめだろ……

俺が泣いたら美和が笑えない。



「美和が俺に笑顔をくれたから、俺は幸せだったよ。

……愛をくれて、ありがとう。

この記憶があれば、俺はこれからも強く生きていける」



美和は背伸びをして、俺の顔を両手で包む。

その温もりが全身に伝わるのを感じると


「…………っ」


俺は


その笑顔に目を奪われた。

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