この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
片想いの行方
第63章 2人の蓮
ズキッと痛む胸を抑えて、俺は再び後ろに振り返った。
……今はとても、美和と蓮の話を聞く気になれない。
駅の方向に向かって進もうとすると
「……私、蓮くんとはサヨナラしたの」
美和が静かに口を開いた。
「……………!」
「ちゃんと伝えてきたの。
自分の本当の気持ちに気付いたから、蓮くんと一緒にはなれないって。
……蓮くん、分かってくれた」
俺がゆっくり振り返ると
美和は真っ直ぐ俺を見つめた。
「…………好き」
「……………!」
「………私は、ヒメが好き。
それをすぐに伝えたくて
ずっとここで待っていたの」