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片想いの行方
第11章 悩んで揺れて、また悩む
「……えっと……ヒメとは何でもないよ?
蓮くんの水泳教室のことを考えて、緊張しちゃってて……」


アンナは更にジィィッとあたしを見つめてきたけど

しばらくして、また前を向いて歩き出した。


「まぁいいけどさっ。
ヒメも特に何もなく普通だし」

「…………」

「課外授業でバスに戻ってきた時の泣き顔は、一旦忘れてあげる。
だけど、なんか悩んでるならいつでも言ってよね!」

「……うん。アンナ、ありがとう」


あたしは心から嬉しくなって、微笑んだ。

アンナもにこっと笑って、あたしの頭に手を乗せる。


「私、来週から爺ちゃんちに行ってるけどさ。
マジでいつでも電話してきて」

「うん!」

「あ!あと、お盆の前に帰ってくるから、夏祭りは一緒に行こうよ。
メールするからさー」


駅の改札に入って、二手に別れる。


「じゃあね、美和。
夏祭りの時に水泳教室の話聞かせんのよ?」

「うん、またね」


家が反対方向のあたし達は、手を振ってバイバイした。
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