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異常性愛
第28章 媒介
上司のデスクに走った。
『直接お礼 言いたいんで、
ちょっと行ってきます。
午前の会議、欠席でいいすか。』
『ああ、その方がいいだろ。
部長には俺が言っとく。
昼には戻れ。メシ行こう。』
『すみません。お願いします。』
大口の契約書を前に上司は機嫌が良い。
上司に頭を下げ、チアキのデスクに走った。
『チアキちゃん、会社の車 空いてるか?』
『ええ、午前は会議ですから全部いけますよ。
大輔さん、良かったですねっ。』
『ああ、まぁな・・・。
あ、そうだ、
また手伝ってくれる?』
『ええ、いつでも。』
『頼むね。』
能力の高い雑用係から社用車の鍵を受け取り、地下駐車場へ向かった。
亭主との話がこじれるようであれば、私は会社を辞めるつもりだった。
引き継ぐならチアキがいい。
そう思っていた。
地下への階段を下りる途中、忘れ物を思い出して階段を駆け上がりデスクに戻った。
毛羽立った薄いケースを掴み、
私は亭主の病院へ向かった。
第二十八章 -媒介- 完