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異常性愛
第29章 相克
金曜の夜、涼子のプライベートビデオと、素顔の真美の純粋無垢な美しさを目の当たりにした私は、以前から心の中に燻らせていた、これまでの人生に対する後悔に苛まれ、逃げるようにあの家から立ち去った。
亭主の非常識な要望を叶えることができず、今回の大口受注は無くなったものと諦めていた。
翌日、子を授かったことを晶子に知らされ、新しい絆を生きる よすが として、過去との決別を心に決めた。
だが破棄されると思われた署名済みの契約書が会社に届き、社内は大口受注に湧く。
宛名に私の名を書かずに発送したその意図に、亭主の卑怯さを感じ、私は怒りを覚えた。
子を授かり、身の振り方を決心していた私は、受注の辞退を申し出る為に亭主の勤務する病院へ向かった。
受注はもちろん、亭主との人間関係を断つつもりでいた。