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異常性愛
第29章 相克
病院へ向かう道中、亭主に電話をかけた。
まともな話をしに行くのだ。
感情を高ぶらせたまま会社を飛び出したが、アポイントも無く感情任せに押しかけても、亭主を相手に私に勝ち目は無い。
亭主が電話に出た。
《お、キミか。》
『先生、お世話になります。
そちらに向かってるんですが、
時間いただけませんか。』
《急ぐのか?》
『ええ、そうです。』
《そうか、重要、なんだな?》
『でなければ、
そこへ向かいません。』
《ほほほっ、じゃ来なさい。》
『すみません。』
交渉上手な亭主の口から別の条件が出ないうちに、すぐに電話を切った。
アポイントが取れればそれでいい。