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異常性愛
第29章 相克
感情を露わにした亭主の意外な態度よりも、涼子の心情を察したような言い回しに、私は内心で一驚(いっきょう)した。
亭主は涼子を愛していた。
だがそれは私と同様に、不器用で自分勝手なものだった。
今まで強がってきた亭主の気持ちを私は理解できる。
涼子を愛していたことを認めれば、涼子を失った自分が見窄らしくなる。
特に涼子を奪った私の前では認めたくないことだ。
私の名を呼んで恋しがり、常軌を逸したオナニーをする涼子のプライベートビデオを見つけた時には、浮気の現場を目の当たりにするよりも辛かっただろう。
美人秘書を誑(たぶら)かし、真美を慰み物にすることで、亭主は涼子を失った自分を慰めるしかなかった。