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異常性愛
第29章 相克
電話を切った。
不安げだった真美の声が、私の誘いで急に明るくなった。
金曜の騒動で真美の週末は面白くないものだっただろう。
そう思うと私の心に小さな罪悪感の影が差した。
家の近くまで行って、わざわざ家に行かない私の気持ちを真美は察知してくれているだろうか。
性欲との戦いに勝てる気がしない私は、人目のある場所で真美と話すことを決めていた。
二人きりになれば、どんなに固い決意があっても自分自身の性欲に負け、セックスになだれ込む危険が、私にはある。
金曜の夜は真美を抱くことが出来なかったが、今日もそうだという自信がない。
そもそも真美を嫌いになって決別するのではない。
きっかけがあれば、可愛い真美を抱きしめ、情に流される可能性は充分にある。
そうなればこの話もなし崩しだ。