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異常性愛
第29章 相克
『女の子なんだけど。
ショールームで会ってる筈なんだけどな。』
『紅茶を出してくれた人?』
『あ、そうそう、あの子。
よくできる子なんだ。
ゲームみたいなあの立体モデルも
その子がやってくれたんだよ。』
『そうなんですか・・・。』
『だから、
次からはその子と一緒だったり、
その子だけが打合せに
お邪魔するかもしれない。』
真美は視線を逸らさず頷いている。
話の先を想像し、不安を隠さない真美の面差しが、私の一番弱い部分をつつく。
『仕事だからね。』
『だったら、時々二人で逢えませんか?』
『真美ちゃん・・・。』
『時々でいいんです。
ほんとに、少しでいいんです。』
次第に真美の言葉に熱が入る。
喉元がキュッと締まり、私は次の言葉が出ない。
私に縋る真美を置いていくようで胸が詰まった。