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異常性愛
第29章 相克
顔を上げた真美は精一杯の笑顔を作った。
『どうですか?髪。』
『断然その方がいいね。
よく似合ってるよ。
真美ちゃんらしい。』
さも嬉しそうにニッコリ笑う真美。
屈託の無いその笑顔は、私の心をしっかり掴む。
やはりここで逢って正解だった。
『今日はどうしたんですか?』
『いや、それがね、新居の話なんだよ。』
大きな目を丸くして真美は話を聞く準備をした。
『置いてった契約書、
先生から送られてきたんだ。
あんなことがあったのに、
真美ちゃんが僕を推してくれたんだろ?』
『はい、大輔さんじゃないと
イヤだって言いました。』
『ありがとうね。
でも大きな物件だろ。
会社で協議したら、
もう一人担当を付けるって事になってね。』
そんな話は一切無い。
私がでっち上げた。