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異常性愛
第29章 相克
夕方、ニコチンが切れてしまい、休憩ついでにチアキと外に出た。
向かいのビルにテナントで入るコンビニでホットコーヒーを買い、いつものように駐車場のひさしの下で一服つけた。
チアキは私に付き合おうとしたが、冬の外気は丈の短いスカートのチアキには冷たすぎる。
『タバコ吸ってくから、先に戻ってな。
それと、今日はもういいから、
自分の仕事 片付けといて。』
『まだ、大丈夫ですよ。』
『お局さんも怖いし。
明日からまた頼むよ。』
『そうですかぁ。
私、気にしませんけど。』
『俺が怖いんだよ。
だから今日はチアキちゃん、ね。』
『はぁい。じゃ、先行ってますね。』
最初から飛ばせば必ず息切れする。
チアキの意欲を削がないことも年上の私の役目だ。
事務所で幅を利かせる西太后に目を付けられると、チアキも身動きが取り難くなる。
古い社内体質には辟易するが、この案件でチアキという味方を失うわけにはいかない。